微かなすれ違い

ジャックランダホテル

 

収録作品の対象年齢が幅広くていろんな人生の先輩から経験談を聞かせて頂いている気持ちになる。勉強になる。

 

あらすじ


主人公は若くはない女性。生活を共にしていた男が若い娘と恋に落ち、主人公を捨ててオーストラリアに駆け落ちをする。彼女は経営していた店を売り、男を追いかけてオーストラリアに渡る。そしてそこに部屋を借り、別人になりすまし、逃げた恋人を相手に奇妙な文通を始める。


微かなすれ違い


とても長い夜があった。

そこには暖かさや気の利いた音楽はなく、あるのはどこまでも引き延ばされた苦悩だけだった。

今の自分にとってはそれがちょうど良く、人間はそんなものだ。

そう思うと気が楽になる。

この、微かなすれ違いがこの物語のとても大事なポイントになっていて。40歳になってから読むとまた違った味わいがあるんだろうなと思う。