まだ始まったばかり
UFOが釧路に降りる
妻に家を出て行かれた主人公はしばらく会社を休むことにする。
会社で頼まれた小さな届け物を持って北海道に向かう。
そこで待っていた2人の女性に届け物を渡し、案内してもらうことに。
どこかでそれがやってくるのを待っていた
この話が大好きで、もう何回読んだか分からないです。
この話がときどき気になる。傷になることが分かっているのに触ってしまう治りかけのかさぶたみたいに。
読み終わるたびに圧倒的な暴力の瀬戸際に立たされてしまう。
44ページしかない話なのに、深く息を吐く必要のある読後感がある。
自分の今いる場所がどこなのかを一瞬忘れてしまう。
主人公はこの話の最初から圧倒的な暴力の瀬戸際に立たされていたけどそれに気付いておらず、今いる場所を把握しようとする。傷つきもする。
それでも心のどこかでそれがやってくるのを待っていたんじゃないかな。
そしてそれがやってきたことを最後に始めて実感する。
失うことを少しずつ実感していく、そのはじまりを描いた話。
rikichan