みかんの皮剥きも悪くないかもしれない

納屋を焼く

 

あらすじ

 

知り合いの結婚パーティで「僕」は広告モデルをしている「彼女」と知り合い、ほどなく付きあい始めた。

パントマイムが趣味の「彼女」には「僕」以外にも複数のボーイ・フレンドがいる。

そのうちの1人と「僕」はたまたまあるとき食事をすることになった。

新しいボーイフレンドが持ち寄った大麻をやっていると、彼は「時々、納屋を焼くんです」と口にした。

 

みかんの皮剥きも悪くないかもしれない


この時期の作品が本当に好きです。

冷たさとほんの少しの希望があって、余韻が長い作品が多い。

村上春樹の作品に出てくる女性はとても好きだけど、何故かこの作品のパントマイムが趣味の彼女だけはそこまで好きじゃなかった。

ひたすらみかんの皮剥きのパントマイムをしていたことだけが思い出される。

 


みかんの皮剥きは延々と同じことを繰り返しやることの比喩として出てきている。

ボーイフレンドが沢山いて、楽しそう(実際楽しいと思う。退屈はしない)だけどそれはずっと同じことを繰り返しているだけとも言える。

だとしたら、なんでそんなことしているんだろう?とも思えてくる。

そんなことばっかり考える人生も楽しくないだろうしみかんの皮剥きも悪くないかもしれない。

 

rikichan